愛知・ヤノベケンジ キンダガルテン
愛・地球博訪問の前に豊田市美術館で開催されている「ヤノベケンジ キンダガルテン」へ行ってきました。 昨年の金沢21世紀美術館訪問時には、作品製作途中で拝見する機会に恵まれなかったこともありまして、今回の展覧会では思う存分楽しんできました。
まずは、展示室に入ると同時に眼に飛び込んできますのが、写真右手にある7.5m高さの巨大なロボット「G.-T.R.Y.:ジャイアント・トらやん」です。このジャイアント・トらやんは、ある時子供のように突然声を出し、歌って腕を振り回し始めます。このダイナミックな動作に会場中の観覧者が一様に釘付けになっていました。また、この巨大ロボの中には5体のトらやんらしき子供人形が中に入っていまして、彼らが操っているようでした。
写真左手にあるが、「ロッキング・マンモス」です。こちらは万博に展示されているシベリアの永久凍土から発掘された冷凍マンモスに対抗して、ヤノベケンジ氏が構想したマンモス・プロジェクトによるものです。ティンゲリーの彫刻(オブジェ)のように自動車の廃材で組み立てられたことは作品から分かったのですが、実はヤノベケンジ氏の愛車・ディーゼルエンジンのトヨタハイエースを分解して作られたそうです。この作品は、機械部品の構成を辿るだけでも楽しいものですが、偶然にもヤノベケンジ氏が展覧会に訪問されていまして、ロッキング・マンモスに乗り込み動かすところを拝見できました。
まずはエンジンが始動しますと、マンモスの鼻を左右に振り、全体が前後ゆっくりと揺れ動きます。さらにアクセルを吹かしますとマンモスの後方にある尻尾のようなところからマフラーがないためにディーゼル排ガスによる真黒な煙と轟音が撒き散らされながら揺れ動きます。マンモスのユーモラスな動きと、20世紀の遺物的な環境に悪影響を与えるディーゼルの黒鉛が印象に残った作品でした。
次の展示室には、放射線を浴びると動き出すトらやんと小さい子供がやっと入れる位の大きさの「森の映画館」が展示されていました。また、森の映画館近くには、ヤノベケンジ氏のお父様がトらやんを腹話術で始められた切っ掛けなどが書かれたドローイングがありました。お父様の大阪人らしいめげないチャレンジ精神と息子のヤノベ氏が暖かく見守る愛情が読み取れまして、面白いものでした。
その次の展示室には、多数のトらやんと金沢21世紀美術館で開催されていた子供都市計画研究所の「マンモス・パビリオン」、「子供都市鉄道」、「タンキング・マシーン」などのオブジェのインスタレーションと、巨大な発泡スチロールの積み木の家の中にビデオインスタレーションがありました。ビデオ作品は、ロッキング・マンモスに書きました壮大な構想をヤノベケンジ氏が語る「マンモス・プロジェクト」、ジャイアント・トらやんが出来るまでの工房での制作風景および美術館での展示準備を早送りで再生した「ジャイアント・トらやんのひみつ」、子供都市計画研究所で実際に小さい子らがヤノベ氏の作品で遊んでいる場面を撮影した「子供都市 -虹の要塞-」が上映されていました。いずれも、オブジェの制作プロセスとその実際の動きがビデオで容易に理解できるようになっていまして、面白い作品でした。さらに、その次の展示室には「マンモス・プロジェクト」の構想説明用に作られたドローイングが展示されていました。
全体をとしての感想は、子供のみならず大人までも童心に戻ることができるメカやロボット作品には、リサイクルや排ガス、放射線などのちょっとした環境に対するスパイスが効いていまして、楽しむだけではなく色々と考えさせられる側面もありました。
最後に、このWeblogに写真掲載するにあたりまして、快諾してくださったヤノベケンジ氏に感謝いたします。
豊田市美術館 ~10/2まで


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