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June 22, 2005

北海道・北海道立函館美術館

 函館は連絡線や、海峡列車の乗り継ぎで何回か立ち寄ったことがあるのですが、未訪問の五稜郭とその近くにある北海道立函館美術館へ行ってみました。

特別展「幻のロシア絵本1920-1930年代展」

 ロシアの絵本に興味持っていた訳ではないのですが、美術館訪問前にHPでこの展覧会の解説を確認したところ、「具体」の吉原治良や、画家の柳瀬正夢がこのロシア絵本を入手し、自らの制作に生かしていたとの記述に惹かれて入ってみました。

 このロシア絵本は、日本のしっかりと製本されたものとは異なり、わら半紙が厚くなったようなざらざらの紙に細かい階調が描写できず平板的な色彩で印刷された簡素なものでした。平板的な中にも大胆な色使いやシンプルな構図が新鮮に目に写りまして、日本の浮世絵のような印象を持ちました。また、当時では珍しかった写真による絵本もありまして、その先進性にも驚きました。

 今回展示されていた作品は、大部分が吉原治良がコレクションしたもので、それらから影響を受けて制作した「スイゾクカン」という一連の絵本用挿絵の原画(油絵)が展示されていました。この絵本用の色彩、構図を単純化した初期作品を見まして、シンプルさが吉原治良の黒や白線で円を描いた作品に通じるものがあると思いました。

ミュージアム・コレクション 「新収蔵品展」

 常設展では、鵜川五郎と田中良の絵画作品が印象に残りました。

 鵜川五郎の戦闘機、台車、骸骨など戦争の墓標がバベルの塔のようにうず高く描かれた「青春の墓標」や、手前には多くの骸骨の中に立っている青年、中央に狐が2匹森の木に吊るし上げられ、さらに奥の村が戦火で燃えている状況を描いた「1944年病める森」、戦時中の疎開風景を描いた「野の行人」の3作品から反戦メッセージがしっかりと読み取れまして印象に残りました。また今回これらと環境破壊に対してのメッセージが読み取れる「うすれ日」、「農園風景」の5作品を纏めて見ましたところ、これらの風景に一匹のキタキツネが描かれていまして、人間の愚かさを各場面で検証しているような物語性を感じました。

 田中良の作品は「港A」、「風景」の2点と少なかったのですが、描かれている雪が単純な白色ではなく灰色や赤色が混ざったような北海道若しくはヨーロッパ気質とも思える独特のマチエールを持ち、私好みの佐伯祐三に通じる壁系作品でした。函美

北海道立函館美術館 ~7/3まで

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