香川・地中美術館
四国周遊の旅の最後は、高松から船で直島へ渡り、昨年オープンした地中美術館を訪問しました。
安藤忠雄設計の「地中美術館」は、氏らしくコンクリート剥き出しの建築でしたので、経年変化によってドブネズミ色にならないように保守するのは大変だなあと勝手な想像をしながら、ネギみたいな草が植えられている有機質の四角い中庭の回廊を上がり、地下1階の地中ストアに到達しました。さらに個々の作品へは、白い破砕した石を敷き詰めた無機質な三角中庭に設けられた階段を下りてアクセスするようになっていました。
地下3階「ウォルター・デ・マリア室」
「タイム/タイムレス/ノー・タイム」という作品で、入り口から部屋を見るとコンクリート剥き出しの階段状になっている空間の中心に黒い花崗石で出来た身長よりちょっと大きな球と、それを囲むように1組3対の金色の木製の棒が27組設置されたものです。棒が何故27組設置されているかといいますと、棒の断面が、三、四、五角形になっていまして競馬で言うところの3連単の全通りの組み合わせ数(3*3*3=27)となっています。ちなみに三角、四角、五角が3つとも揃った組合せは階段の最上段に設置されていました。この作品から受けた印象は、材質的にコンクリート、石、金(箔で覆われた木)と無機質なものからなるため、温かみは感じられず冷え冷えとしものでした。また、数分見た印象では時間的な概念も感じられませんでした。
地下3階のウォルター・デ・マリア室鑑賞後、三角中庭の壁に溝が切られたようになっている回廊部分を通り、地下2階へ向かいました。
地下2階「ジェームズ・タレル室」
プロジェクターで投影された蝶の様な形をした薄青色光の「アフラム、ペール・ブルー」という作品が入口にあり、さらに進むと金沢21世紀美術館にもある空を切り取って眺め、色の変化を楽しむ「オープン・スカイ」のコーナーがありました。この部屋の最大の見所は、「オープン・フィールド」という作品で、霧がかかっているような青い柔らかい光が幻想的に空間を包み込んでいます。さらに外からその空間を眺めるだけではなく、中に入って体験することもできるようになっています。実際に中に入ると霧のように感じたのは光の乱反射だけで、スモークなどの効果ではないことが分かりました。また、後ろを振り返ると空間の入口がオレンジ色のライトで照らされているため、補色の関係でくっきりと浮かび上がるようになっていました。空間の中にいますと、光の効果で距離感覚が無くなり、非常に不思議な体験をしました。
地下2階「クロード・モネ室」
最後にクロード・モネの「睡蓮」が展示されている部屋を訪れました。ここは何故かコンクリートから開放されてホワイトキューブの展示室になっています。モネの睡蓮では赤や青、その中間の紫色がよく使われているために、壁が真っ白では眩し過ぎて似合わないように感じました。また、展示室の壁側から太陽光を反射光により取り入れる構造になっていますが、当日午前中に訪問しかつ曇天であったため、絵の発色が冴えず、折角のモネの睡蓮の印象もイマイチでした。ジェームズ・タレルの作品を見た後なので、余計にこの展示室の光の使い方の悪さが目立ちました。


Comments